バロック音楽の知識

忘却と再生


バロック音楽から古典派音楽への推移を、対位法的なものからホモフォニー|ホモフォニックなものへの転換と見るならば、バロック音楽それ自体が同様の推移をたどっており、バロック音楽といわゆる古典派音楽の境界を明確に線引きする事は難しい。連続的な趣味の変化に伴って、過去の遺物となったバロック時代の音楽は18世紀後半にはほぼ完全に忘却された。ロマン派音楽|ロマン派期になると、フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーンによるバッハのマタイ受難曲の「再発見」に象徴されるように、バロック時代の音楽へと興味が向かうようになり、作品にバロック風の味付けを施す作曲家もいた(たとえばヨハネス・ブラームス|ブラームスやマックス・レーガーなど)。また、19世紀末から20世紀のフランスの音楽家たちも、バロック期の音楽に興味を抱き、その形式の一部を模倣するような作品を作っている(たとえばクロード・ドビュッシー|ドビュッシーの「ラモー賛 Hommage ? Rameau」やモーリス・ラヴェル|ラヴェルの「クープランの墓 Le tombeau de Couperin」など)。20世紀前半を通してバロック音楽への関心は持続された。やがて、バロック時代には現代とは異なる楽器が使用されていた事が、特に鍵盤楽器に関して注目を引き、チェンバロの復興が行われたが、当初は、チェンバロへの様々な誤解がある上に、ピアノ製造の技術を流用して作られた事などからこれらは今日では(逆説的にも)モダン・チェンバロなどと呼ばれている。1970年代から、バロック(以前)の音楽の演奏に際しては、博物館や個人の収集で残されている同時代の楽器(オリジナル楽器)や、それらの楽器の忠実なレプリカ(ヒストリカル楽器)を使用し、同時代の文献などによって奏法研究を行うことで徹底的にバロック期の音楽を再現しようとする動きが活発になった。このような潮流を古楽運動とよび、このような観点で用いられるオリジナル楽器やヒストリカル楽器を古楽器と呼ぶ。バッハなどの一部のバロックのレパートリーはピアノなど現代の楽器で演奏され続ける一方、本項目に現れた作曲家の多くは、ことごとくこの古楽運動の中で「再発見」された事情もあって、今日のバロック音楽の演奏実践では古楽器による演奏が大部分を占めている。

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Palisca, C.V., ''Baroque'', Grove Music Online, ed. L. Macy (Accessed 2006.10.04), 作曲家、形式等他の項目も参照した。 バロック(仏英: baroque)という語はポルトガル語 barocco (いびつな真珠)が由来であるとされ、過剰な装飾を持つ建築を批判するための用語とし...

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